発車前準備の蒸気機関車
蒸気機関車が煙を上げて走る姿にどことなく哀愁を感じる人は少なくないと思います。
そんなSLに憧れて、全国の蒸気機関車が走っている路線を旅している人も多いことでしょう。
SLが走行していることで有名なのは大井川鉄道ではないでしょうか。
2009年の秋にも銀河超特急999号がこの大井川鉄道を走ったことでニュースになっていました。
特に銀河超特急999号ということで、SLファンのみならず、アニメファンも多く集ったそうです。
さて蒸気機関車が走るためには自分自身でエネルギーを作り出さなければならないことは知られていることと思います。
架線からエネルギーをもらいながら走る電気機関車とは異なり、蒸気機関車は走るための準備に多くの人でと長い時間を要します。
ここでは蒸気機関車が走る前に、どのような準備が必要なのかを順に説明したいと思います。
1.燃料となる石炭を積み込みます。
現在ではフォークリフトを使って行ないます。
2.ホースで機関車に水を入れます。
本格的な給水設備がないところでは、細いホースを使って長い時間かけて給水作業を行ないます。
3.車輪の空回りを防ぐための砂を天日干しします。
雨の日は車輪の空転を防ぐために機関士の操作で線路に砂をまくのですが、この砂は乾いていないと使用できないのです。
ちなみに砂の入っているドームは機関車のボイラーの上にあります。
4.ロッドの汚れを落として磨いたり、油を差して滑らかに動くようにしておきます。
5.運転時間の3時間前にボイラーに点火します。
冬の寒い時期は、3時間以上前から点火しておきます。
まずボロ布に火をつけて、木材で火室内の火が燃え上がるのを確認後、石炭を焚きます。
6.動輪やロッドをハンマーで叩いてチェックするなど、機関士によって運転前の最後の点検が行なわれます。
運転室においてもブレーキハンドルの取り付けや各部の点検が行なわれます。
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