レトロな客車,999号が走る大井川鉄道SLの旅
大井川鉄道のSLは、こげ茶色をしたレトロな客車を連ねて走ります。
他の鉄道会社で走る蒸気機関車はモダンな展望車やカフェカーなどを繋いで走ることが多いのですが、大井川鉄道ではあくまでも「蒸気機関車は歴史的な文化遺産」との考えで、あえて客車を当時に近い形でそのまま走らせているのです。
銀河鉄道999の1作目公開から30年を記念して大井川鉄道を走った「銀河超特急999号」においても、ボックスシートの旧型客車と展望車の合わせて5両を編成していました。
銀河超特急は特別な列車だとは言っても、やはりレトロな客車が999号にはしっくり合っていたようです。
さて、大井川鉄道SLの旅を始発の金谷駅から始めることにしましょう。
旧型客車を連ねて蒸気機関車がホームに入って来たら、興奮して走り出すことのないよう気持ちを抑えながら乗車しましょう。
車内に入るとニス塗りの壁や板張りの床の、何とも言えない懐かしい香りに包まれます。
木枠の座席や天井の白熱灯、網棚など、昭和の古き良き時代にタイムスリップした気分になります。
(この気分を味わえるのは、ある程度の年齢を超えている人に限りますが…)
スピードや快適性を重視した現代の乗り物では味わえない、独特の趣きがそこにはあります。
「ボッボーーー」という懐かしい汽笛が聞こえたら、いよいよ出発です。
汽車ぽっぽという可愛らしい響きには聞こえない野太い汽笛も、旅への期待と共に郷愁の気持ちを起こさせます。
終点千頭駅までのおよそ1時間20分の道中、レトロなボックスシートに揺られながら、車窓に見える圧倒的な山並みと渓谷の美しさを楽しんでください。
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